おそらくIT業界だけだと思うのですが、こんな表現を聞くことがあります。
- 一人称で対応可能です
- 一人称での開発を行ってきました
- 一人称で動ける方募集
これ正直言ってNAZOですよね。。。
「一人称で仕事ができる」の意味
「一人称で仕事ができる」の意味は諸説ありますが、
「誰かの力を借りなくても、自分一人の力で業務の遂行が可能である」という意味で使われることが多いです。
主にIT業界における人材派遣において、人材の能力をアピールするために使われます。
例えば・・・
一人称で開発可能です
という意味です。
直近では一人称での開発を行ってまいりました
という意味。
一人称で動ける方募集!
これは採用をかける企業側によく見られるセリフですね。
という意味です。
なぜそんな言葉があるのか
不思議ですよね。
だって、仕事って普通に考えたら自分の仕事は自分でやるのが当たり前じゃないですか。
これはおそらくIT業界、特に「SES(システムエンジニアリングサービス)」と呼ばれる、エンジニアの派遣業界の特徴から発生した言葉だと思われます。
SES企業は新人・未経験者を売りに出さなければならない
どういうことかというと・・・
エンジニアの人材派遣を行っている会社って、実は結構な割合で新人や未経験者を抱えているのです。
社員全員が一人前のエンジニアであれば良いのですが、IT業界の人材不足が叫ばれる昨今において、まずそんなことはありません。
そのため、大抵のSES企業は「一人前の先輩エンジニアとセットで新人を売る」みたいなことをやっているわけです。
※セットにしないと誰も新人にお金払ったりしないですから
話は少しそれましたが、このように「自走できない未経験者」が多い業界だからこそ、「一人で仕事できます」が人材提案のアピール文として使われるようになっていると思われます。
そもそも文法的におかしくない?
一人称とは
一人称(いちにんしょう)とは、人称の一つで、話し手自身を指す。自称とも呼ぶ。一般に数の区別がある。
wikipediaより
一人称って、「私」とか「ぼく」みたいに、自分自身を指す言葉のことですよね。本来。
一人称で開発可能です
「ぼく」で開発可能です・・・?
ちょっと意味が分からないですね。
はい。文法的にはあまり正しくない表現だと思います。
誰が使い始めたのかは知りませんが、IT業界(SES業界)ではたまに使われるため、何となくニュアンスで解釈して使っている人もいると思います。
ただ文法的によくわからないし、解釈が人によって違ってしまうこともあるので、できれば使わない方がいいんじゃないかと。
いや、何となくわかりますけどね・・・
屁理屈ではありますが、一人称には複数もありますから、経験の浅いエンジニアも一人称(私達)で開発可能なことになるのではないかと。やはり言葉の使い方おかしい気がします。
そもそも、システムエンジニアリングサービスを提供しているのだから、ぼくで(が)開発可能は当たり前で、(文法的には間違ってますが、言うならば)三人称で開発可能なら、マネージメントができると言うことになるのではないでしょうか?(そんないい方をしてるのは見たことありませんが)
「一人称で作業ができること」という物が求人条件にあり、どういう事なのかと検索してここに来たが解説と翻訳がありがたい
使わない方がいいというのには同意します
有能キャラを人権キャラと言うゲーマーみたいに変なスラングを使う人と仕事したくないですね
「一人称で仕事ができる」という言葉の由来は、NTT初代社長・真藤恒氏の語録が考えられます。SES以外で「一人称で仕事ができる」という言い方を使うのは、NTTグループ及びNTTグループを相手として仕事をする事業者というのが相場と思います。日本のITビジネスにおいてNTTグループの影響力は非常に大きいので、「元々NTTグループ内で使われていた用語がSES業界に拡散した」という由来である可能性もあります。